本田 賢也

Microbiome 領域リーダー

最高の研究環境で、臨床現場に還元できる
細菌叢研究をリード

Microbiome(細菌叢)が研究テーマです。細菌叢は健康に広く関わっていて、がん治療に利用できる菌、痩せる菌、自己免疫疾患を治す菌などの存在がわかってきています。 この分野は、DNAのシーケンス(配列)を調べる機器、シーケンサーが用いられるようになった2007年頃から、急速に研究が進みだしました。それまでの手作業では、どういう細菌がどういう割合でいるのか調べきれませんでした。しかし、シーケンサーの登場により解読速度が画期的に上がり、どういう菌がどういう遺伝子をもって、どういう割合でいるのか、個々人のちがい、大人とこどものちがい、高齢者と若者のちがいなどもわかるようになりました。加えてアメリカが国家プロジェクトとして行ったヒトマイクロバイオームプロジェクト(HMP。Human Microbiome Project)のデータがデータベース化され、それを日本でも利用できるようになったことから、さらに先へと進めるようになりました。

日本は元々、細菌培養技術やノトバイオート(もっている微生物叢が全て知られている動物)技術に優れています。
それらの技術とシーケンサーを使った解読が組み合わさることで、さらに質の高い細菌研究が期待できます。

すばらしい研究環境が整えられました。シーケンサーやデータをためるサーバだけでなく、日本最大級の無菌動物室や、菌を培養する嫌気性菌のバイオチャンバー、さらには人型ロボットも用意されています。

海外ではシーケンサーによる机上の研究中心ですが、ここではそれに加えて責任細菌の培養や、動物実験なども行えます。臨床の場から届いた細菌を、シーケンスで解読して、どんな菌がいるのかを調べる一方で、培養してネズミに投与して影響を見ることもできます。日本が得意な技術を生かして、総合的な研究が可能です。

ロボットは研究に新たな可能性を開きます。将来的にはロボットに培養までやってもらいたいと思っていて、それにより人間が培養できない難培養菌の培養が行える可能性もあります。

また、知財化や市場ニーズ探しなど、重要ながら、アカデミアが苦手とする部分をJSR株式会社にサポートしてもらい、より的確に、よりスピーディに臨床の現場に還元できる研究が行えます。